令和6年度 クリスマスレクチャー

 令和6年度のクリスマスレクチャーを、令和6年12月13日(金)に実施しました。今年度は富山県立大学のサテライトキャンパスを利用させていただき、富山県立大学 データサイエンス学科 本吉 達郎 准教授をお招きして、「“良い”ものを分ける」と題して講義していただきました。自然科学コース2年の35人と、次年度の自然科学コースを志望している1年生34人が参加しました。
 講義では、生徒たちが実際に計算する場面などを交えながら、(1)データサイエンスの基礎、(2)統計的なデータの扱い方、(3)実際の研究内容 をお話しいただきました。

 (1)では、「分ける」には、何か情報が必要であり、その情報をデータと呼ぶこと。そして、分けることは分類、予想することは回帰と呼び、現代ではサポートベクターマシンなど機械を用いて行われていることを説明していただきました。
 (2)では、平均値、標準偏差などの基礎的な説明から始まり、仮説検定という「ある事象が起きると仮定し、その事象が起こる確率を求め、正しいかを判断する」手法を説明していただきました。また、計算した平均値などのデータに差が見られたとき、その差に意味があるのかを判断することが大切であり、意味のある差があることを「有意差あり」ということをご教授いただきました。
 (3)では、交通事故を予想するシステムを紹介していただきました。システムの良し悪しは正解率だけでなく、適合率と再現率に注目する必要があること、また、実際にプログラムにデータを読み込ませるとき、無作為に読み込ませると、あまり正しくない予想をしてしまうため、人が与えるデータを選ぶことが必要であると説明していただきました。

 講義を終えて、これから課題研究を始める2年生からは、「実際に自分たちで計算をする場面があって理解しやすかった」「情報の課題研究に活かしていきたい」などの感想がよせられました。
 本吉准教授には、生徒が理解しやすい基礎的な話から始まり、実際の研究内容まで、とても分かりやすく説明をしていただきました。自然科学コースの生徒達には、この講義をきっかけに、課題研究に向けてより前向きに取り組んでもらいたいと思います。